Chapter1/vol.6

アンティークのお手入れ


様々な人の手を経て、愛され大切に使われてきた物には特有の温かな深みのある風合いがあります。それらは再び暮らしの中に取り入れ、 愛着を持って使い込まれることで一層その魅力を輝かせます。 せっかく出会ったお気に入りの品だからこそ、出来るだけいい状態を保ちながら大切に使いたいと思うのは当然のこと。 特別難しい作業は必要ありません。 日頃の簡単なお手入れと少しの気遣いによりいい状態を長く保ち、アンティークはまた時間をかけてその味わいを増します。アンティークステンドグラス・ランプ・家具のお家で出来るお手入れ方法をご紹介いたします。



ステンドグラス


ステンドグラスは汚れが目立ちにくいですが、普通のガラスと同じように汚れていきます。お掃除方法も普通のガラスと同様で市販のガラスクリーナーを使い、柔らかい布(タオルなど)で磨きます。汚れがひどい場合はこの作業を繰り返して下さい。仕上げに乾いた布で乾拭きをすれば綺麗になり、みるみるガラスの輝きが増します。


ステンドグラス特有の注意点
ケイム(鉛線)を引っかいたり、強くこすると黒い表面のコーティングが剥がれてしまいます。また、濡れたまま長時間放置するとケイムが白くなる場合があります。水気があまり残らないよう注意して乾拭きをしてください。

仕上げの際、靴磨き用などの毛先の柔らかいブラシでケイム(鉛線)をブラッシングすると光沢が出るのでお勧めです。
ステンドグラスは複数のガラスピースの組み合わせでできています。破損の恐れがあるので強く押したり力を入れすぎないよう注意してクリーニングしてください。



ランプ


ランプをクリーニングする際は電源を切り、冷めたのを確認してから始めます。

◆ 普段のお掃除
普段は市販の埃取り用の掃除具、または乾いたタオルで埃を落とす程度にします。照明器具を取り付けたまま掃除をする場合はガラス部分などの落下に注意してください。

◆ 汚れが気になる時には・・・
念入りに掃除をする場合は照明器具を取り外してください。まず電球を取り外してソケット内に入った埃を掃除機で取り除きます。その後、各部分の素材に合わせたクリーニングを施します。クリーニング後はよく乾かしてから元の状態に戻します。電球の取り付け、交換の際は締め込み過ぎず、ソケットの奥行きを確認してから軽く抵抗があるところまで締め込みます。最後に器具を取り付け点灯の確認をしてください。


素材に合わせたクリーニング方法
ガラス
器具から丁寧に取り外し、食器と同様にスポンジを使い洗浄が出来ます。口金部分が切りっぱなしで鋭利になっている物もあるので手を切らないように注意してください。洗剤が残らないように十分に洗い流します。水洗い後は良く乾かしてから器具に元通り取り付けて下さい。
金属、樹脂(プラスチック)
柔らかい布に薄めた中性洗剤をしみこませて、よく絞ってから拭きます。洗剤が残らないように拭き取ってください。真鍮、銅素材は乾拭きをお勧めします。洗剤を使いクリーニングすることもできますが、濡れたまま長時間放置するといびつに変色することがあるのでお勧めしません。洗剤を使うときは素早く拭き取り、水気を残さないよう注意してください。真鍮や銅などは長年使うことでくすんで光沢がなくなり黒ずんできます。アンティークの魅力ともいえますが、気になる場合は研磨剤などで磨けば黒ずみがなくなり、元々のキラキラとした光沢を取り戻すことが出来ます。使用する洗剤は必ず中性の物を使うようにしてください。そのほかの洗剤やシンナー、ベンジンなどを使用すると変色や変質、強度低下につながります。
メッキ
さびや変色の原因となるので水は使わないで、市販のメッキクリーナーか乾いた布で乾拭きをしてください。
革、布、紙、木
水が使えないので柔らかい刷毛かブラシで埃を払います。その後、布で軽く拭くのがお勧めです。



家具


イギリスのアンティーク家具はオイルステインで着色した上に「シェラック」という天然素材のニスが塗られています。このシェラックニスは水分や熱に非常に弱く、濡れたものや熱い器を長時間置いたままにしていると白く変色してしまいます。これを防ぐためにもコースターやランチョンマット、テーブルクロスを使う事をお勧めします。現代の家具には皮膜の厚いウレタンニスが使われています。シェラックニスに比べ、傷も付きにくく、水分や熱にも強く優れた塗料ともいえます。ですが、アンティーク家具の魅力である木目の凸凹や淡い光沢の味わいは現代の家具にはありません。少しの気遣いと自らメンテナンスをすることで愛着が生まれ、末長く使う事が出来るのがアンティーク家具の最大の魅力です。

◆ アンティーク家具の設置場所
アンティーク家具に使われている木材は気温や湿度により常に収縮したり膨らんだりしています。そのため寒暖と温度の差が激しい窓際やエアコンの風が直接当たるような場所で使用すると木の継ぎ目が外れたり割れや反りをひきおこします。そのような場所にはなるべく置かないようにしてください。空気の乾燥する冬場は加湿器の使用をお勧めします。また直射日光は塗装を劣化させ、色あせの原因にもなります。

◆ 普段のお手入れとワックス・オリーブオイル掛け
普段は乾拭き程度で、汚れが付いた場合は固く絞ったフキンで軽くふき、必ず乾拭きしてください。半年から三カ月に一度は家具専用のワックスかオリーブオイルで磨くことで美しい光沢を保ち表面の保護にもなります。テーブルなどの使用頻度の高い家具ほどまめにオイル掛けをしてください。まずは家具に着いたほこりや皮脂などを乾いた布できれいにふき取ります。彫刻部分の溝などはブラシを使い埃を掃き出してください。柔らかい布に適量つけて、刷り込むように満遍なく塗ります。5分ほど放置し、木にオイルを浸透させてから別の布で余分なオイルを磨くように拭き取ります。このときに衣服が直接触れる椅子やテーブルは特に入念に拭き取ってください。衣服にワックスやオイルがつくとシミになります。最後に古いストッキングで磨くと、アンティーク家具の魅力あふれる艶を楽しむことが出来ます。

キズや色あせが気になる場合の簡単な塗装 ◆
小さな欠きキズには、アンティーク家具用のペンタイプ塗料を使います。よく搾った布でキズの周りに付いた埃や皮脂等の油分をよくふいてから、キズ以外の部分にはみ出さないように着色してください。家具本体の色より薄い色のペンから試し、徐々に家具の色に近づけていきます。全体や一面の色が白けたり、色が薄くなってきた場合はオイルステインで全体または一面を塗装します。ペンタイプの塗料と同様に埃や皮脂等の油分を、良く搾った布で拭きます。乾いた布で表面に残った埃をきれいに拭き取ってから塗装を始めます。塗料が乾燥するまでは、窓を開けるなど換気に注意してください。塗装する家具に近い色のオイルステインで、刷毛やオイルステインを染み込ませた柔らかい布を使い、木目に沿って塗装します。刷毛を使う場合は一度につけ過ぎないよう、薄くのばすように塗り込みます。塗装後は良く乾燥させ、オイルステインが乾いたのを確認してから使い始めて下さい。

◆ 引き出しや扉などの可動部分のメンテナンス ◆
引き出しや扉などは常に木と木が擦れ合っています。スムーズに開閉しない状態で使用し続けると木が削れてしまう事があります。開閉するときに乾いた音がしたり、スムーズに開かないときは木と木の接地面にロウを塗ってください。擦れ合っている部分にロウを塗ることで、変摩耗を防ぎスムーズに開閉することが出来るようになります。ロウをぬる前に掃除機などで埃やゴミを取り除き、引き出しの側面と両サイドに白くなるくらいたっぷりとロウを塗り込んでください。扉がスムーズに開閉できない場合は、まず蝶番のネジに緩みがないかを確認してください。緩んでいれば増し締めしてください。その後、蝶番の継ぎ目にオイルを差し、木と木が擦れている部分にロウを塗り込んで下さい。







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